◆アーティスト・トーク開催 = 7月9日(金) 18:30〜19:00
北村信樹の作品は、陶による遺跡や石積を思わせる大きなインスタレーションです。
サイズはいずれも2〜5mほどあり、風化した岩石や建築物を再現したような迫力があります。風雨や時間の経過によって磨耗し、退色した石やテラコッタが、遺跡や遺構のようにダイナミックに構成されています。積み上げられ、重ねられ、時には落下して破損し、その破片は側に転がったまま、あるいは欠落したかたちで再構成されます。
熱帯雨林の高い温度に黒染んだ岩肌、熱い太陽に射られて乾燥し、ボロボロと崩壊していくテラコッタ色の土肌が、ひとつの作品の中に繊細に表情豊かに表されています。見る者は一瞬のうちにアジアの、エジプトの、メキシコの、アメリカの、遺跡や遺構の前に立ち返ったような既視感に幻惑されます。いにしえの風に吹かれたような壮大なイメージの作品です。
作家の北村信樹は、陶で作品を制作するようになって 15 年になります。美大在学中に交換留学生として滞在したオーストラリアで、エアーズロックに出会います。もともと自然に興味があって訪れた場所でしたが、朝に夕に光を浴びて目まぐるしく表情を変えるその岩山の色彩の圧倒的な美しさ、太古から続く記憶がよみがえるような存在の巨大さに畏怖の念を憶え、自らもいつかそうした作品をつくりたいと制作を重ねてきました。
これまで関西を中心に発表を重ね、数々の公募展で入賞しています。今回が東京での初個展となります。存在の痕跡、記憶、滅びの美しさをたたえた作品をぜひご覧下さい。
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